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作業時間に制約を受ける、在来線の鉄道や道路などの1000mを超える長距離トンネルにおける注入作業工程の短縮を図った経済的な新可塑状グラウト

 

スラメント®工法とは

 「スラメント工法」は、構造物のリニューアル、補強・補修用として新たに開発したスラグを主成分とする非セメント系の可塑状グラウト注入工法です。

 スラグを主な固化剤とする可塑状グラウト工法は、1978年に、新設シールドトンネルの裏込め材(スラグ─石灰系)として実用化され、耐久性の実証により本格的に採用され、数多くの施工実績を有しています。

 新たに開発した「スラメント工法」は、スラグ─石灰系グラウト材の良い特性はそのままに、長く緩やかな硬化特性を持つように配合を組み替え、二種類の可塑剤を用いた「二液比例方式」の注入形態をなす工法として確立しました。スラメント(スラグ系固化剤)を主成分とするA 液と、硬化剤(石灰系)を主成分とするB液を個々に圧送し、注入孔付近で混合し可塑状にして空隙に充填します。

 A液、B液ともに長く緩やかな硬化特性を示しますが、時間経過に伴い粘性が徐々に増加するため、配管内の残置可能時間(可使時間)を、混練り開始から、A液で24時間以内、B液で36時間以内と設定しています。この時間内の作業休止であれば、圧送配管、ホース等の水洗いは不要となり、洗浄に要する作業時間の短縮(注入時間の延長)、排出液の削減を実現しました。

 

スラメント工法の特徴

1 非セメント系なので、長距離(実績:2km)圧送性に優れています。
2 耐水性に優れ、地下水による希釈や潮の干満の影響を受けません。
3 清水・海水共に固結体は長期にわたって安定しており、耐久性に優れています。
4 限定注入が可能であり、歩留まりおよび充填性に優れています。
5 セメントを使用しないため、可使時間が24時間と長時間です。
6 施工の時間交代やホース内付着材清掃のための日々の水洗いが不要です。
7 水洗いによる産業廃棄物の数量が減少します。
8 水ガラスと粘土鉱物の二種類の可塑剤を用いることで、可塑状態が安定しているため未充填部の発生が少ない工法です。
9 日々の水洗いを必要としないため、その分、注入時間が確保されます。

 

スラメント工法施工イメージ図

 

可塑状グラウト「スラメント」の品質

 可塑状グラウト「スラメント」は「矢板工法トンネルの背面空洞注入工設計・施工容量」(平成18年10月、東日本高速道路(株))、中日本高速道路(株)、西日本高速道路(株))に規定されている「背面空洞注入材の品質規格(2)」を満足しています。